なぜなら、私たちが慣れ親しんでいる西洋医学(病院)では、「症状があれば、それを消す」ことが治療であり、どうしてそうなったかという原因にまで治療がおよぶことはほとんどないからです。
症状を消すと書きましたが、実際のところは隠しているに過ぎません。
痛いから痛み止め、痒いから痒み止め、下痢をしたから下痢止め、熱があるから解熱剤、眠れないから睡眠剤、血圧が高いから降圧剤…というように、挙げたらきりがありません。
しかしそれでは、症状は改善したとしても、症状を引き起こした原因が残ったままですから、いずれまたさらに悪化した状態で再発します。治療を受ける立場の私たちも、症状が消えれば楽になりますから、それで治っていると思いこんでいるのです。
しかし、現実には薬を何年、何十年間飲みつづけても、一向に改善しないケースがあとを絶ちません。それどころか特に内科系では、一生薬を飲み続けるのが当たり前という風潮さえあるのです。どこかでこの悪循環を断ち切るためにも、これからの医療は原因診断・原因治療が不可欠と考えます。
話がちょっとアレルギーからそれましたが、要するに症状とは、身体が発する大切な警告サインなのです。ですからどんなものでも、症状が出るには必ず訳があります。
安易に薬を使って症状を隠したり、手術でじゃまなところを切るだけでは、せっかく身体が私たちに教えてくれようとしたサインの意味が、わからないままで終わってしまいます。
しかし身体の方は、サインの意味を自分自身にわかって欲しいのですから、ここで終わろうとはしません。そのうちに身体の方も、もっとすごい大きな症状をだして、私たちに何とか気づいてもらおうとします。
腰痛・肩こりで来院されている患者さんに、“アレルギーが関係していますよ”と言いますと、“私は、花粉症もないですし、今までアレルギーといわれたこともありませんよ。”と不思議そうなお顔をされます。アレルギーと腰痛・肩こりは関係ないと思っている人がほとんどなのです。お医者さんですら、このような認識のない方がほとんどでしょうから、無理もありません。
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では、ここでいうアレルギーとは何でしょうか。そして、アレルギーがあるとなぜいけないのでしょうか。そしてアレルギーは、どんな症状と関係があるのでしょうか。順に説明しましょう。
アレルギーとは、ある特定のものに対して、体の防衛システム(免疫系といわれています)が過剰に働いているサインです。
ではなぜある特定のものに対して、ある人は過剰に反応し、ある人は反応しないのでしょうか。
それは、強いストレス・有害物質などをきっかけとして、個人の遺伝情報の中にある「ある特定のものに対する過剰反応(アレルギー)のスイッチ」がオフからオンになるからです。スイッチがオンになると、脳によってその特定のものが身体にとってよくないものと認識され、その過剰反応を引き起こすのです。ですからアレルギー除去の施術では、このスイッチをオフに戻すことと同時に、そのきっかけとなったストレスなどへの施術も必要となります。
そしてまたそのスイッチが変わりやすい条件として体質の酸性化が更なる黒幕として問題となります。
酸性体質とは、血液および体液のPHが酸性に傾いていることを指します。
体液が酸性化する条件は、動物性食品・精白穀物の多食、野菜・海藻・豆類の摂取不足、過剰な運動、過剰な精神的ストレスが挙げられます。
酸性体質の人の特徴としては、さまざまなアレルギー反応をおこしやすく、肩こり・腰痛・鼻炎・便秘など多く症状を持っています。何事も消極的で引っ込み思案となり、行動もにぶく、物事を悪いほうへ悪い方へと考えるようになります。
逆に弱アルカリ体質の人の特徴は、肩こり・腰痛・便秘などとは無縁で、快食快便です。物事に積極的に取り組み、進んで行動できます。行動も早く、物事の判断も良いほうに善意に解釈し、楽天的思考になるようです。
しかし血液や体液を弱アルカリ性に変えてくれるカルシウムやミネラルのアレルギーがあれば、どんなに野菜・海藻・豆類をたくさん食べても、どんなにサプリメントを摂っても、それらに含まれるカルシウムやミネラルは十分に身体に吸収されませんから、結局は不足による酸性体質を変えることは難しくなります。
また現代は農薬の使用により土地がやせてしまい、野菜などに含まれるビタミン・ミネラル自体の量が格段に少なくなっていることも問題視されています。
ビタミン・ミネラルが十分でない作物は美味しくありませんし、栄養素が何十分の一に減った分、何十倍も食べられるわけがありません。ですから食生活に自信がなく、活動量も多く、精神的ストレスも多いという場合は、アレルギー除去の施術後、良質のサプリメントを補う必要もあります。
食物にアレルギーがある人は、アレルギーを引き起こす物(アレルゲンといいます)を食べたりそのにおいを嗅ぐと、胃痛、吐き気・嘔吐、下痢・便秘、おなかの張りなどの消化器症状を始めとして、頭痛・耳鳴・めまい・体の痛み・しびれ・痒みなどが現れます。
花粉やカビ・ほこりなど、吸い込むものにアレルギー反応を起こす人は、それらに対してくしゃみ・鼻水・せきなどの症状を起こして、アレルゲンが体の中に入らないように排出しようとします。
このような不快な症状は、体を外敵から守る免疫系というシステムが過剰に働いた結果なのです。ですから、この不快な症状を抑えるための薬を飲んで一時的に楽になっても、その原因が解決されない限り、後の再発でさらに苦しい思いをするのは目に見えています。
医師は薬を処方するときに、痛み止め薬が自律神経系におよぼす副作用、ステロイド薬が全身へ及ぼす副作用などをしっかり伝えていないのが現状です。またこれからは、本当に飲む必要がある薬なのかどうか、患者さん自身の自己防衛も必要なのです。
アレルゲンが食物であれば下痢や嘔気・嘔吐、また吸い込んだものであれば咳やくしゃみ・鼻水などが一般的です。そして皮膚は身体の排出器官ですから、目に見えるかたちで多くの情報を示してくれます。
湿疹・水疱・発赤・発疹・しみ・斑点・目の下半分以上のくま・いぼ・赤みがかった顔色・乾燥(ドライスキン・ドライマウス・ドライアイなど)・多汗・あぶら性・にきび・毛穴が目立つ・しわ・しみ・皮膚のたるみ・髭剃りまけ・耳の下が切れる・ふけ・毛髪が立って生えている・さかさまつげ・脱毛・抜け毛・白髪・くせ毛・爪の変形・爪が薄く割れる・有色爪など、これらは食物アレルギーの典型症状です。
これまでの説明で、以前よりアレルギーというものの仕組みがおわかりになって頂けたと思います。
それでは、NAET®によるアレルギー除去療法について説明していきましょう。
これまでの一般的なアレルギー除去といえば、除去食やアレルギー反応を抑える薬(ステロイド薬など)に頼るしかありませんでした。
除去食はアレルゲンが複数にわたると、食事制限がかなりきつくなりますし、好きなものを楽しく食べたいという生理的欲求を一生満たすことができないのでとても辛いものです。
抗アレルギー薬に関しては、前にも述べましたように、結局は症状を隠しているだけで、内服が長期になれば、何らかの副作用が必ず出てきます。
NAET®は1983年にアメリカ在住のデビ S・ナムブドゥリパッド先生が編み出した薬や光線・レーザーなどの医療器具を一切使わないアレルギー除去療法です。ご自身が子供の頃から白米とカリフラワーしか食べるものがないくらいの極度のアレルギー患者であり、何とかして治りたい、何かいい治療はないものかと医師・カイロプラクター・鍼灸師(博士)・看護師の資格を全て取ったのです。
そしてその集大成がNAET®となって、20年の臨床実績をもとに、現在アメリカをはじめヨーロッパ・オーストラリア・アジア・メキシコ・南米・南アフリカで広がりつつあります。デビ先生、そしてNAET®発見に至る経過などに関する詳細は、著書『病気よ、さようなら』(増田裕訳、科学新聞社)をご覧ください。
NAET®では、犯人探しは東洋医学を用い、施術はカイロプラクティックで行います。
患者さんの問題が、どの経絡(気の通り道)の問題なのか。そして何がその経絡のエネルギーの流れを乱しているのかをバイルという“物質固有のエネルギーを転写させた水の入った小ビン”を持ちながら、筋力検査法を用いて探していきます。コンピューターを使って探し出すことも可能です。
そして問題となっているもの(アレルゲン)を見つけ出したら、アレルゲンに対するアレルギー除去の施術を行います。脳はアレルゲンのことを、“これは自分にとって不必要であり、問題を起こすものだ”と思いこんでいますので、NAET®による施術により、“これは身体に必要なもの又は無害なもの”という新たな認識に入れ替える作業を行うのです。
施術後25時間は、施術した項目の食品や物質を食べない・触らない・近づかないなど、いくつかの守らなければならないことがありますから、詳しくは担当施術者からお聞きください。
NAET®で施術する対象は、この世に存在するすべての飲食物・物質・動植物・現象・感情などです。
そして代理人を使えば、赤ちゃんやペット、寝たきりの人にも施術をすることができます。しかも注意点さえ守れれば、副作用の心配は一切ありません。
NAET®JAPANが発足して5年、ひとりでも多くのアレルギー患者さんに幸せや健康を取り戻していただけるよう施術者向けにセミナーを開き、日本国内に広げていくための活動を行っています。
Dr.デビ、そして日本をはじめ世界中のNAET®施術者は、ぜひこの新しい概念をもつ画期的な施術法で、生きる楽しさ・喜びを皆さんに手にして欲しいと心から願っています。