痛みはどうして起こるのでしょうか?
画鋲を踏んだ時とか、火で火傷をしたときのことを思い起こしてみましょう。
痛みは「神経終末」という痛みの感覚受容器が機械的刺激や化学的(炎症物質による)刺激を電気的刺激に変え、それを連結する神経線維の電気化学的性質による興奮として脳に伝え、「どこの部位」が「どのように痛い」のかが表現されます。
一般に、筋の張り(トーン)が低下すると、関節に付着する腱に負荷がかかり、腱炎を起こします。それがさらに進むと、関節炎になります。ですから、腱炎や関節炎の原因は筋を支配する神経系の働きが低下することです。他方、筋の張りが低下する対側や拮抗筋では逆に過度の緊張が起こり、血流障害を招いて、炎症物質が発生し、痛みの原因となります。
ですから、神経の働きがアンバランスになると、筋の張りが弛緩したり緊張したりして、痛みの原因が生まれるのです。
また、派生的に、筋の過度の緊張により、末梢の神経が圧迫される「絞扼症侯群」も起こり、痛みが発生します。
一方、私たちの内臓や腺を支配している神経に自律神経系があります。これは交感神経系という活動神経と副交感神経系というリラックス神経のバランスによって成り立っています。ところが、働きすぎや人間関係の複雑さによるストレスから交感神経系が優位になると、全身的な血流障害起こり、痛みが起こります。片頭痛はこの交感神経がリラックスして脳への血管が一時に血流を回復させるときにズキンズキンした痛みとなって現れます。
それに対し、リラックス神経が働きすぎると、アレルギーなどにより過度の副交感神経系優位となり、分泌排泄機能が活発となるため、痛みの感覚受容器も鋭敏となり、カタール性の痛みが生じます。
つまり、自律神経がアンバランスになり、交感神経優位となると、血流障害による痛みが発生し、副交感神経優位となると、分泌排泄作用が活発となり、カタール性の痛みが発生します。
これも、神経系のアンバランスによる痛みです。
実は、こうした神経系の働きがバランスを欠く源には、大脳皮質の機能低下があげられます。脳への刺激や酸素、栄養素の供給が低下すると、大脳の働きは低下し、筋の張りが低下し、交感神経系の働きが優位となるのです。
カイロプラクティックは神経系に適切な刺激を与え、そのバランスを回復させて、痛みを取るのと同時に全体的な健康も回復させているのです。
また、末梢の組織の損傷が無いのにもかかわらず痛みを感じる時があります。これは心身症と間違いやすいのですが、中枢神経系が過度に敏感になると、あたかも、手足などの末梢が損傷して、痛みと感じることがあります。
特に有名なのは、切断してもうないはずの足が痛いと感じる「幻肢痛」(Phantom pain)です。これは、痛みが脳の方で強く記憶されているためです。
同様の機序で、脳が敏感になっていると、痛みを感じることがあります。一種の「中枢痛」あるいは「異痛症」と呼ばれています。これも過敏となった脳を安定化してあげると、痛みは和らぎます。
詳しくは次の項目を参照してください。>アレルギー除去とは