施術をお望みの方へ/カイロプラクティックQ&A増田節

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 先日、肩が挙がらないという愁訴をお持ちの中年女性が来院しました。私とほぼ同世代の方です。1年前に転倒した際に肩を打ちました。当時は痛みがありましたが今ではありません。整形外科では五十肩と診断され、肩関節に注射を打つ治療をしましたが、注射が合わず辞退しました。それ以降、週1回ほどマッサージに通いましたが、改善しません。当院に通っている友達からうちを紹介されたものの、予約を入れる勇気が出ませんでした。

初診の日も、「私、とても緊張しています」と何回も言っていました。その日の施術が終えたときには、すっかりリラックスしてお帰りになり、翌日は感謝の電話をいただきました。

カイロプラクティックは骨をボキボキ鳴らす治療だと思っていたのでしょう。とてもそんな怖いところはいやだと考えていたのでしょう。友人から「あそこは骨をボキボキすることはしないから安心よ。行ってみなさい。」と言われていたのに、1年近くも決心ができませんでした。

このことで留学時代の話を思い出しました。ある先生が一つのエピソードをお話になりました。「整形外科医が腰の痛みでカイロプラクティックのオフィスを訪れた。『カイロプラクティックはとても恐ろしいところだと思っていたが、実際は違うので認識を新たにした』と言う。これに対して、カイロプラクティックの先生は『僕こそ整形外科ほど恐ろしいところはないと思っていました』と答えたと言う」

この話は自分が知らないものは不安があるため怖いと思う典型的な例です。

私自身は病院に行ったら何をされるのかわからないので、とても不安で自分では行きたいと思いません。自分の健康管理は、同僚によるカイロプラクティックケアで済ませています。

当院の施術は骨を動かすことを眼目においていません。神経系の末梢にある感覚受容器に対して刺激を入れて、身体をコントロールしている神経系の働きを正常に戻すという施術をしています。そのため、アクティベータという器具を使って、パチンパチンと刺激を入れていきます。ゼロ歳児から90歳代のご高齢の方まで(残念ながらまだ100歳以上の方は診ていません)、安心して施術を受けていただいております。

実際、私の父や母もこの施術を受けてきました。妹もその連れ合いも、その子供たち(私の姪、甥)、また母方の叔父やその連れ合いなど、近親者も喜んで私の施術を受けています。近親者ほどずけずけモノを言いますから、こうした近親者から喜んでいただけるのも、この施術が素晴らしいことの証拠ではないかと自負しています。

このホームページをご覧になれば、カイロプラクティックの施術法のコンセプトは十分ご理解いただけると思いますが、「百聞は一見にしかず」とも言います。ぜひ、どんな施術をしているかご覧になってください。しかし、見たからわかるというわけでもありません。子どもさんを連れてきた親御さんは最初どんな施術を受けるのか心配なので、私の施術の様子を目を皿のようにして観察していますが、何も起こらないので、2、3回もすると、待合室で本でも読んで子どもの施術が終るのを待つようになります。ですから、百聞は一見にしかず、でもないのです。これはやはり体験していただくほかはありません。体験すれば、施術による痛みはなくからだが心底から軽くなるので、とても感謝されています。心拍間隔変動指数を計測しながら施術をすると、2倍3倍とどんどん数値が改善して、身体がリラックスしていくのが手にとるようにわかります。カイロプラクティックは筋骨格系の障害だけでなく、自律神経系の障害にもいい結果を出すのはこうした数値の改善でもわかります。見れば不安は即座に解消しますが、見たからといって、カイロプラクティックの素晴らしさがわかるわけではありません。やはり、そのコンセプトを理解していただくほかはありません。

でも、知らないことは不安であり、風聞があればなおさらのこと、恐ろしくもなってきます。関心のある方は是非、無料相談をご利用ください。オフィスの感覚や施術の仕方を見ることができます。当院の施術が安全であることをまとめると以下のようになります。

世の中にはまともな教育も受けないで、カイロプラクティックの看板を掲げる不届きな者も多いのですが、当院の院長、同僚の先生は国際基準を満たしたカイロプラクティック・カレッジを卒業した学位の保持者であり、「患者に害を与えない」という古代ギリシアのヒポクラテスの誓いを様々な角度から訓練された人間です。安心、安全。

開業以来、事故はありません。しかも、施術の結果悪くなったと言う人は一人もいません。ぜんぜん良くならないという人は稀にいますが、コンマ以下の比率です。たいてい、非常に良くなった、良くなった、ちょっと良くなった、と何らかの改善を示します。

アクティベータという衝撃の小さなアジャストメント器具を使用していますので、赤ん坊からお年寄りまで痛みを感ぜずに施術を受けていただいています。
これから、良くなった患者さんの生の声をどしどし載せていきたいと思います。また、患者さんの中で、問い合わせに応じてくれる人を募り、ポストの役割をしてもらうことも考えております。

不安はほっておけばますます募るばかりです。行動に起こすことが不安を解消する近道。私もカイロプラクティックという自営業を始めたとき、未知の世界に対する不安でいっぱいでした。でも、毎日を精一杯生きようと決めてからは、その日その日ベストを尽くすことで不安を解消しました。

一度、来院して検査と施術を受けてみてください。素晴らしい世界があなたの眼の前に開かれることは確実です。もし納得できなければ、その時点でやめればいいのです。体験しないで、ぐずぐずして、治るチャンスを見失うことほど、残念なことはありません。

それと、施術は「見立て」が90%を占めます。見立てがよければ、整形外科であれ整体であれマッサージであれ、どの施術の先生でも素晴らしいと私は思います。しかし、冒頭の腕の挙がらない患者さんの場合、「五十肩」の見立ては誤っていました。検査をすると、上腕の外旋は90度で問題なし、外転は100度で少し制限有り、内旋は45度で大きな制限あり、という結果が出ました。これでは五十肩ではありません。典型的な五十肩は外旋がほとんどできません。これは私が患者さんの腕を動かして調べた結果です。本人に動かしてもらうと、ぜんぜん腕が挙がりません。制限があるためでなく力が入らないのです。そこで、肩周辺の関節、筋肉を詳しく調べていくと、肩鎖関節の障害があることがわかりました。脊椎の矯正とあわせてこの肩鎖関節の施術を行うと、腕が挙がるようになったのです。

このことを患者さんに詳しく説明すると、「こんな詳しい説明を受けたのは初めてです」とおっしゃっていました。「原因がわかり、施術を続ければ良くなることを知って、希望が持てました」とも。私も駆け出しのころはいろいろ検査してもわからず推量で施術していた時期がありました。その経験から言えることですが、あてずっぽうで施術していても、いい結果は出ません。新庄のように当たることもありますが、それは、まぐれです。やはり、イチローのようなプロの技術がわれわれ施術者にも求められます。

今、治療の世界を見渡しても、見立てをしっかりと立てて施術に当たることのできる人は指折り数えるほどだと思います。たいていは、(どこが原因か特定できないが)とりあえずやりましょう、という言い訳ばかりです。西洋医学の対症療法が典型的です。「熱の原因はわからないが、(とりあえず)解熱剤を出しておきましょう」「咳の原因はわからないが、(とりあえず)咳止めの薬を飲んでいてください」「高血圧の原因はわからないが、(とりあえず)血圧降下剤を出しておきましょう」。しかし、代替医療の分野でも同じようなことがまかり通っています。たとえば、腰痛の原因も個々人違います。特定の個人の特定の腰痛の特定の原因をつかまず、(とりあえず)推量と経験主義で対処している場合が多いのです。実際、かつての私がそうでしたからよくわかります。

カイロプラクティックの学位、アクティベータの上級認定の資格、しかもカイロプラクティック神経内科のスペシャリストの学位とNAET®公認施術者の資格のある当院のスタッフによる治療プログラムはとてもすばらしいと自信を持ってお勧めできます。もっと多くの人に試してもらいたいと思います。

2003年7月12日
増田カイロプラクティックセンター
院長 増田 裕、DC、DACNB

私たちのオフィスの基本姿勢は、「私たち自身が受けたい施術を患者さんに行う」、あるいは「私たちの家族に受けさせたい施術を患者さんに行う」ことです。

元来、病院という名詞の英語はHospitalです。これはHospitalityという「温かいもてなし」を意味する言葉の派生語です。ですから、病院とはもともと患者が温かいサービス・ケアを受けるところ、という意味があったはずです。現在の医療がこの言葉とは正反対の現状を示していることは皆さんが感じておられるとおりです。

第1に、お金を払うのは患者です。サービスを受けるのも患者です。

サービスの内容に質問があれば、いろいろ質問するのは当然です。

サービスの内容に不満があれば、クレームをつけるのは当然です。

お金を払ってサービスを受ける以上、支払い金額に応じた質の高いサービスを求めるのは当然です。

ところが、お金を払う顧客の立場の患者が質問をするのが憚られる雰囲気がある、嫌な思いをしたり不快な気分になったりする、あげくのはては怒鳴られたり怒られたりする。間尺に合いません。また、カスタムメイドの施術ではなく、十掴一からげのような平均的施術を受けます。質は相当低いです。しかもお金を出して、副作用のような却って悪い結果をもらうようなこともある。自動車でしたら欠陥自動車でリコールものです。よくドクターショッピングの悪い面が指摘されますが、実情は「こんなところには2度と来ない」という患者の姿勢の表れであることが多いのです。まずい食事を出すレストランだったら、文句を言わずに「2度とこんなところへ来るものか」、と思うのと一緒です。

医療には100%確実ということはないので、サービスを提供するものとサービスを受けるものとの一般的関係をそのまま当てはめることはできないにしても、原則が変わることはありません。

当オフィスは患者の立場に立って医療(私たちの場合代替医療)サービスを行うことを目指しております。また、当オフィスのドクターたちも皆さんと変わらない人間で、いろいろと疾患を抱えており、それを当オフィス自体の提供する施術で、自分たちの健康を維持しております。自分たちは受けたくないが、患者には受けさせる、といった二重基準(ダブル・スタンダード)は置いておりません。絶えず、自分たちが受けて快適になる施術内容を追究しています。自分たちが患者だったら、こういうクリニックがいいなあ、と思う内容をふだんに追求していますが、以下にそれらを列挙して見ます。

具体的には、

「おはようございます」「こんにちは」と元気に患者さんに声をかけるようにしています。また、会計を済ませてお帰りになるときは「お大事にどうぞ」と声をかけています。つまり、日常生活上どこでも行われている元気の出る挨拶です。

新患の方には検査と施術の結果についてホワイトボードを使ってなるべく詳しく説明し、質問にはできるだけ答えるようにしています。質問は施術を継続する間、いつでも答えるようにしています。権威主義的ではなく、気楽に相談できるコーチのような役を演じています。

質問に対する答えでなかなか理解されない場合、当オフィスのホームページを紹介したり、院内のパンフレットを参照していただいたりしております。

当オフィスではカスタムメイド(患者個々人に合わせた特異的メニュー)の施術を目指していますので、どこに原因があるのか、健康のペンタゴン(5角形)の観点で調べて、施術します。ですから、その施術は誰にでも当てはまるマニュアル化されたものではなく、あなただけに固有な施術内容となります。何が原因かを問うことなく、症状だけを取ろうとする西洋医学との根本的違いがここにあります。

疾病が治る見通しについて質問を良く受けます。これに対しては施術目標を設置して、これらの目標をクリアしていけば、「大丈夫だ」と話すことにしております。目標が理解されれば、施術を続けるエネルギーが出てきます。たとえば、左右の盲点差がなくなる、HRVや血中酸素濃度の値が改善する、筋肉反応テストが強くなる、下肢長が等しくなる、可動域がだんだん大きくなる、アレルギー反応のある品目のクリアといった具合です。

当オフィスの施術はカイロプラクティック、アレルギー除去法を主としております。神経系、筋骨格系、内臓系、免疫・アレルギー系(栄養・毒を含む)、心理感情系など、トータルに診て施術しておりますので、昔ながらの「ホームドクター」の良さを享受できます。患者を臓器別に診て、全体を診てくれないといったフラストレーションを感じることはありません。このため、いろいろな症状を気楽に相談できます。また、相談に応えられる力量を当オフィスのスタッフは持っています。

完全予約制なので、待ち時間なしで予約された時間に施術を受けることができます。忙しい現代では、まさに「時は金なり」。自分の日程表の中に安心して時間を組み込むことができます。

当オフィスのドクターたちは絶えず卒後の研修に励み、最新最高の施術テクニックを提供できるようにしておりますので、満足のいく結果を期待できます。

患者は一時でも自分が放置されていると思うと不安になるものです。待っていただくような場合には、必ず「少しお待ちください」と声をかけるようにしています。いつも、「自分は気づかってもらっている」という安心感を抱けるようにしております。

ルイボスティーをご用意して、くつろいでもらえるようにしております。このお茶は活性酸素を除去する効果があります。

200冊ほどの小さな図書コーナーを設けて、患者さんの健康に対する関心に応えるようにしております。

旅館やホテルでくつろぐといったようなわけにはいきませんが、「来て施術を受けて本当によかった」と思われるようなサービスの提供をしたいと思います。

 

痛みはどうして起こるのでしょうか?
画鋲を踏んだ時とか、火で火傷をしたときのことを思い起こしてみましょう。
痛みは「神経終末」という痛みの感覚受容器が機械的刺激や化学的(炎症物質による)刺激を電気的刺激に変え、それを連結する神経線維の電気化学的性質による興奮として脳に伝え、「どこの部位」が「どのように痛い」のかが表現されます。

一般に、筋の張り(トーン)が低下すると、関節に付着する腱に負荷がかかり、腱炎を起こします。それがさらに進むと、関節炎になります。ですから、腱炎や関節炎の原因は筋を支配する神経系の働きが低下することです。他方、筋の張りが低下する対側や拮抗筋では逆に過度の緊張が起こり、血流障害を招いて、炎症物質が発生し、痛みの原因となります。

ですから、神経の働きがアンバランスになると、筋の張りが弛緩したり緊張したりして、痛みの原因が生まれるのです。

また、派生的に、筋の過度の緊張により、末梢の神経が圧迫される「絞扼症侯群」も起こり、痛みが発生します。

一方、私たちの内臓や腺を支配している神経に自律神経系があります。これは交感神経系という活動神経と副交感神経系というリラックス神経のバランスによって成り立っています。ところが、働きすぎや人間関係の複雑さによるストレスから交感神経系が優位になると、全身的な血流障害起こり、痛みが起こります。片頭痛はこの交感神経がリラックスして脳への血管が一時に血流を回復させるときにズキンズキンした痛みとなって現れます。

それに対し、リラックス神経が働きすぎると、アレルギーなどにより過度の副交感神経系優位となり、分泌排泄機能が活発となるため、痛みの感覚受容器も鋭敏となり、カタール性の痛みが生じます。

つまり、自律神経がアンバランスになり、交感神経優位となると、血流障害による痛みが発生し、副交感神経優位となると、分泌排泄作用が活発となり、カタール性の痛みが発生します。

これも、神経系のアンバランスによる痛みです。
実は、こうした神経系の働きがバランスを欠く源には、大脳皮質の機能低下があげられます。脳への刺激や酸素、栄養素の供給が低下すると、大脳の働きは低下し、筋の張りが低下し、交感神経系の働きが優位となるのです。

カイロプラクティックは神経系に適切な刺激を与え、そのバランスを回復させて、痛みを取るのと同時に全体的な健康も回復させているのです。

また、末梢の組織の損傷が無いのにもかかわらず痛みを感じる時があります。これは心身症と間違いやすいのですが、中枢神経系が過度に敏感になると、あたかも、手足などの末梢が損傷して、痛みと感じることがあります。
特に有名なのは、切断してもうないはずの足が痛いと感じる「幻肢痛」(Phantom pain)です。これは、痛みが脳の方で強く記憶されているためです。
同様の機序で、脳が敏感になっていると、痛みを感じることがあります。一種の「中枢痛」あるいは「異痛症」と呼ばれています。これも過敏となった脳を安定化してあげると、痛みは和らぎます。

世にアレルギーと言えば、花粉症、喘息、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、湿疹などがすぐ思いつきますが、こうした典型的なアレルギー症状のほかに、こうした典型的症状の出ない潜伏型のアレルギー患者もたくさんいます。

アレルギーとは身体のエネルギーと反発するエネルギーを持つ物質、生物、エネルギーのことを指します。ですから、通常の狭い意味のアレルギーとは若干異なります。このアレルギーがあると、神経系は警戒信号を出して、この反発性のエネルギーが体内に侵入しないように、身体の生命エネルギーの流れを遮断してしまいます。

身体には主なものだけで12の基本的な生命エネルギーの流れがあります。まさにその名の通り、あらゆる臓器、システムの機能はこの生命エネルギーなくして働きません。

この生命エネルギーが遮断されると、ちょうど堰き止められた河の流れが、上流では氾濫し、下流では枯渇するように、生命エネルギーの過剰(実)と過小(虚)の対照的な症状が生まれます。よく、顔は火照っているのに足は冷たい、というようなこと訴える人がいますが、まさにこれがそれに当てはまります。堰き止められると、河の流れを何とか回復させようと、ますます流れが強くなり、さらにそれが一層の河の氾濫を招きます。こうして、堰き止められた河の上流に氾濫した生命エネルギーが過剰になると、痛みや凝りが生じてくるのです。

ですから、卵アレルギーで典型的な湿疹が出ない人でも、くびの痛み、肩の痛み、あるいは腰痛や膝の痛みなどとして発現されることもあるのです。むしろ、典型的なアレルギー症状がない人の方が多いのです。

アレルギーはほとんどすべての痛みの原因である。

以前から、片頭痛の誘因としてある種の食品、例えばチョコレートなどが指摘されていましたが、最近の神経科学の研究により、アレルギーの最も典型的な症状である炎症作用による浮腫の形成が、脳の神経血管束を圧迫して、片頭痛の原因となることが明らかにされてきました。

現代では、日々新しい物質が日常生活に登場しており、人間の生命エネルギー撹乱の脅威となっています。食品、飲料、水道水、大氣、日用品、環境物質など。人間の生命エネルギーと合わないエネルギーは必ず、生命エネルギーの流れを遮断させ、痛みの原因をつくります。

痛みがあるなら、アレルギーを疑う必要があります。
アレルギー除去療法を開発したDr. Nambudripadは従来の除去食という辛い方法とは違って、体質改善を図る画期的な治療法を生み出しました。この療法により、全世界でアレルギーによる痛みで苦しんでいる人が救われています。

アレルギーは除去できます!痛みも取れます!
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人間は理性(大脳皮質)と感情(大脳辺縁系)のバランスの取れた生き物です。理性だけでは、あれやこれや思案しますが、最後の決断をくだすことができません。また言葉を額面どおりに受け取りますが、その意味、文脈をとらえることができません。楽しい、うれしい、やる気とかいったものは、すべて感情です。このように、感情は人間が生きるうえで非常に大切です。よく、溺れた人を見て、咄嗟に自分が泳げないのに飛び込んでいたという話をよく聞きますが、これなどは感情に基づく本能的な判断が優先した典型例でしょう。

人間は理性だけでも生きられないし、むき出しの感情だけでも生きられません。理性と感情のバランスが良く取れた生活を送ることが人間の生活を豊かにします。万葉集、古今集、新古今集などを読むと、昔の日本人は非常に豊かな感情生活をしていたことが窺えます。

ところが、現代の人間生活の中では、どうかすると、感情は否定的にとらえられて、意識の下に押さえ込まれてしまうことが多いようです。しかし、感情はいろいろな外的な変化に対する自然な反応であり、感情的発露を抑えることはできません。それは人間が生きるうえでの本能的な対応なのです。もちろん、感情を読み取られまいとする努力も一方で発達してきましたが、そのこと自体、感情が自然発生的であまりに人間的なことであることを裏で示していることだと思います。

ですから、感情には良い感情、悪い感情はありません。私たち臨床に携わるプロの立場から言えば、あらゆる感情は健康にいいのです。繰り返します。あらゆる感情は健康に言いのです。うれしい時にうれしい。悲しい時に悲しい。怒る時に怒る。すべて健康に良いのです。

問題は感情の流れが淀んで、どこかに溜まり、沈殿しまうことです。こうなると、身体のほうに影響が出てきます。最新の分子生物学では、ある感情が湧くと、それに対応した特定の神経ペプチドが分泌されて体内を流れることがわかっています。この体内循環がストップしてしまうのです。

ともかく、感情はさっと湧いて、サラサラ流れて、自然に消えてしまう、というのが一番良いのです。一番悪いのは溜まることです。溜まるのが悪い。

日常の生活の中では、親子、夫婦、生徒と先生、仕事上の上司や部下、仕事先との関係、各種の人間関係の中で、感情のストレスがたまりやすくなります。この感情的ストレスは大脳辺縁系だけでなく、内臓とも密接に関係しています。東洋医学では、肺は悲しみ、肝臓は怒り、胆嚢は憤り、腎臓は恐れ、膀胱は意思喪失、大腸はひとりよがり、胃は同情などと、それぞれ固有の感情と結び伝います。

感情が蓄積され滞留すると、生命エネルギーの流れが遮断され、エネルギーが氾濫すると痛みになります。

この感情の流れが滞りやすい背景には痛みの第2の原因としてあげたアレルギーがあります。アレルギーがあると、感情的に非常に不安定になります。ですから、アレルギー除去を行うことが、正しい安定した豊かな感情生活を送る上で必要条件となります。

詳しくはNAET®へ

整形外科を訪れる患者さんの大部分は腰痛などの痛みの原因は構造上の異常にあると思っていると思われます。また、当の整形外科医のほうでもほぼ全員が痛みの原因を構造上の異常に原因を探っています。整形外科を訪れても期待したものが得られない患者さんが私どものカイロプラクティックの治療院を訪れるわけですが、そこでも、背骨や骨盤のずれや歪みをとって欲しいと願っています。つまり、背骨や骨盤のずれや歪みが痛みの原因であると考えているからです。整体院を訪れる患者さんもほぼ同様でしょう。

しかし、構造上の異常が腰痛などの痛みの原因ではありません。では、痛みの原因はいったいいったい何でしょう? 原因がきちんと特定できなければ、その解決する治療法も見当違いなものになってしまいます。治療術内部においても世間の常識においても、最大の誤解は構造的な異常が痛みの原因であると思っていることです。

たとえば、医師を訪れる2番目に多い疾患である腰痛を考えて見ましょう(ちなみに医師を訪れる最大の疾患は一般感冒、風邪です)。

西洋医学(主に整形外科):椎間板ヘルニア、椎間関節症、変形腰椎症、分離症、すべり症、脊椎菅狭窄症などなど。これはほぼすべて、レントゲン、MRI、造影法などによる画像診断が診断の決め手になっています。ところが、これらの画像診断上の所見と症状(腰痛)とは少しも関係がないのです。

英国医師会の機関誌BJMの論説に次のような指摘が載っています。
「(慢性腰痛の原因について)腰椎ヘルニア、線維輪の断裂、脊椎狭窄、すべり症といった特異的な器質的な問題に診断を求める努力が払われてきた。しかし、大多数の症例では、これらの疼痛源を特定するのは不可能である。脊椎の可動域の低下、レントゲンによる脊椎症、椎間関節炎、MRIによる椎間板変性と突出の徴候を示すこともある。しかし、これらの特定されたお決まりの特徴は背部痛の存在との関連性は非常に弱い」(『急性の背部痛が慢性になる理由』1997年6月7日号、Malcom IV Jayson教授、マンチェスター大学医
学部付属ホープ病院 リウマチ病センター・マンチェスターとサルフォード疼痛センター)

また、いくつかの海外の論文によりますと、何の症状もない健常者のMRIを見ても、加齢に従い、椎間板の変性、膨隆、脱出が増加しているのです。健常者にもMRI上の異常が認められること自体、画像診断と症状とは連関がないことを示しています。また、腰痛患者の年齢別の正規分布を見ると、40代前後がピークとなっています。これから見ても、画像診断による、構造的な異常に腰痛の原因を求めることは相当な無理があります

カイロプラクティック:伝統的なカイロプラクティックや日本の整体術は骨盤の歪みや背骨のずれ・歪みが腰痛の原因であるとしています。私どものオフィスにも「骨盤の歪みを治して下さい」というような問い合わせが数多くあります。ところが、こうした骨格上の歪みは原因であるというよりは結果であることが多いのです。結果だけを追っても、再発することは目に見えています。

ここで、はっきり言っていいと思いますが、整形外科、伝統的カイロプラクティック、それに整体に共通しているのは構造的異常が痛みの原因である、ととらえる考え方です。しかし、ヘルニアや、骨盤・背骨のゆがみ・ずれが痛みの原因ではありません。

西洋医学やカイロプラクティックを問わず、こうした構造的なアプローチは根本的に誤っています。では、腰痛の原因はいったい何でしょうか?

それは筋肉のアンバラスです(よく筋肉とスジの違いは何ですか?と聞かれますが、筋は訓読みで何と読みますか)。筋肉が弛緩したところでは関節に負荷がかかり腱の痛みから関節痛となります(機械的刺激による発痛)。また、筋肉が緊張したところでは、血流障害が起きて低酸素症となり、疼痛物質が産生されて、痛みの神経が過敏となります(化学的刺激による発痛)。

では、どうしてこうした筋肉のアンバランスが起きるのでしょうか?それは筋肉に命令を与えている神経系の働きがアンバランスになっているからです。

それは伝統的なカイロプラクティックが見過ごしてきた、しかも創始者のDDパーマーが指摘していた神経系の働きです。

痛みは通常2種類あります。組織の損傷を伴うものと組織の損傷を伴わないものの2種類です。痛みは細い神経線維を伝わって脳に届けられて、そこで「痛み」として感じられます。通常、痛みを伝える細い神経線維の働きは関節や筋肉の状態を脳に伝える太い神経線維の働きで抑えられています。その鎮痛部位は末梢神経から中枢神経(脊髄)への入り口である城門と脳の本丸付近の城門の2箇所にあります。ところが、前者の場合、太い線維の働きが低下して、痛みを脳に伝える細い線維の働きを抑えられなくなり、痛みの情報は城門から本丸へ素通りとなり、脳で痛みとして感じられ、痛みが発症します。

カイロプラクティックの治療は神経系に適切な刺激を与えてアンバランスな状態をリセットし、太い神経線維の働きを活性化させて痛みを伝える神経線維の働きをコントロールするのです。

また、太い神経線維の働きが低下すると、大脳の働きも低下して、結果的に交感神経系が優位となり、血流障害が起きます。そうすると、低酸素症となり、神経系が興奮しやすくなり、痛みが出ます。これも、神経系のアンバランスをリセットして、自律神経系の状態を元に戻して痛みを解消します。

では、どうして、太い神経線維の働きが低下するのでしょうか? それにはもっと深い根本原因が考えられます。それは機械的なストレス、生化学的ストレス、心理的ストレスの3つのストレスです。
  機械的なストレス:姿勢、反復作業、外傷。
  生化学的なストレス:アレルギー、栄養欠陥、毒。
  心理的なストレス:感情的しこり。

とくに、この心理的なストレスのみがある場合、痛みを感じる脳の部分が敏感となり、組織の損傷がないのにもかかわらず、強い痛みを感じることがあります。中枢痛とか異痛症とか呼ばれています。腰痛などの痛みの大部分がストレスから来ています。当オフィスでは、この感情的ストレスを解放する治療も同時に行って腰痛を治しています。

さらに、むちうちやぎっくり腰などの外傷でも、それはきっかけで、元々内在していた生化学的、心理的なストレスが原因であることも多いのです。

さらに、アレルギーは腰痛、頭痛、肩の痛み、膝の痛みなど、多様な痛みの原因である場合が非常に多いのです。当オフィスでは、アレルギー除去の体質改善治療も行うことにより、痛みの症状を軽減しています。

これらの3種類のストレスがいろんな組み合わせで痛みの原因となっています。この原因にさかのぼって治療しないと、完治しません。増田カイロプラクティックセンターでは、構造的アプローチではなく、機能的なアプローチにより、痛みを根本から治療します。

はっきり言って違います。骨をぽきぽき鳴らすことや骨格のゆがみを治すことがカイロプラクティックではありません。骨格の矯正は手段であって、目的は違います。目的は、神経系の機能回復です。また骨格のゆがみを取って、例えば背骨であればまっすぐに矯正したとしても、このことは神経系の機能回復と決してイコールではありません。

伝統的なカイロプラクティックでは、“椎骨(背骨)の位置異常があれば、その部位の脊髄神経のはたらきに異常が生じる”つまり、“筋骨格系の異常が、神経系の異常をまねく”と考えられています。よって、背骨を矯正して神経系のはたらきを正常に戻すことが治療の眼目となります。しかしこれだけでは、カイロプラクティックの本当の意味での説明には不十分なのです。 なぜなら、“椎骨(背骨)の位置異常を矯正して神経系のはたらきを正常に戻すこと”、確かにこのことをカイロプラクティックの創始者であるDDパーマーは指摘しています。しかしそれと同時に、彼は“外傷、毒、自己暗示により神経系に異常が生じると筋肉の収縮に不均衡が生じて背骨の位置異常が生じる”とも言っているのです。前に述べた伝統的なカイロプラクティックの考え方は、創始者のこの点を見落としています。つまり両者を合わせると、“神経系に異常があれば背骨のゆがみが生じ、背骨のゆがみはさらに神経系の異常を生み出す”となるのです。したがって、カイロプラクティックの原理原則は“神経系のはたらきを正常に戻すための治療法”という点にあります。 ところがいつの間にか、背骨の矯正(手段)と神経系の機能回復(目的)の明確な関係が治療者側の意識から薄れて、背骨の矯正のみが一人歩きしてしまった結果、カイロプラクティック治療に対する認識に誤解が生じたのだと考えています。

従来背骨の矯正と考えられていたのは、実は骨の位置異常やずれの矯正ではなく、関節や筋肉の末梢にある神経系の感覚受容器に対して刺激を入れていたのです。神経系に適切な刺激を入れることにより、神経系の機能を正常な状態に戻します。つまり、神経系の過剰なはたらきや過少なはたらきを是正して正常なはたらきを回復させることがカイロプラクティックの主な目的となります。
アクチベータのような器具を使ってパチンパチンと刺激を入れる治療法はまさしく感覚受容器に対する刺激を入れて効果をあげています。また、視覚、聴覚、嗅覚、味覚などの五感の刺激や、呼吸運動や眼球運動などの刺激を入れて、神経系のはたらきを是正するカイロプラクティック神経学の方法もあります。

身体の全システムの司令塔は神経系であると考えるのがカイロプラクティックです。なぜなら、脳のはたらきと連なる神経系はほとんどすべての組織、器官をコントロールしているからです。手足を動かすこと、五臓六腑のはたらき、内分泌系や身体の防御システムである免疫系、さらには心のはたらきさえも神経のはたらきがコントロールしています。したがって、神経系のはたらきが亢進したり低下したりすると、身体の完璧性からの逸脱が生じて病気の過程が進行することになります。カイロプラクティックはこの乱れた神経系のはたらきを正常に戻すことを主要な目的とする治療術です。

カイロプラクティックは1895年9月18日、DDパーマーが執事のハーベイ・リラードの難聴を治療して聴覚の機能を回復したときが出発点となりました。米国生まれの治療術です。その後、彼のオフィスには難聴の患者が列をつくりました。また、心臓病の患者を治療すると、心臓病の患者の列ができました。このように、カイロプラクティックの歴史の幕開けは難聴と心臓病の治療で彩られています。いずれも、神経系のはたらきを回復させたからです。また、2代目のBJパーマーは立派な研究クリニックをつくり、様々な難病患者を治療して成果をあげています。腰痛、肩こりといった一般患者の例はひとつもありません。むしろ、多様な自律神経系の疾患はカイロプラクティックの得意中の得意分野です。

背骨は身体の支柱ではありません。支柱なら夜間の睡眠中でもしっかりと立っているはずです。神経が休むと骨格も休むのです。むしろ背骨は筋肉や関節がはたらく梃子の役割をはたしています。また、神経と筋肉の作用に不可欠なカルシウムの貯蔵所としての役割もはたしています。生物が海中から陸上に進化した時点で、背骨はカルシウムを貯蔵する最適な組織となりました。
身体が歪むのは筋肉のバランスが崩れるからです。キャンプ場でテントを野営するときのことを思い出してください。テントにたるみが出たり支柱が傾いたりするのは何が原因でしょうか?ロープの張りが均等でないためです。人間の身体でロープに当たるものはなんでしょうか。そう、筋肉です。しかし、その筋肉の張りをコントロールしているのは神経系の働きです。だからこそ神経系のバランスが崩れると身体にはいろいろな歪みが起きてくるのです。カイロプラクティックは神経系のはたらきを正常に戻して、結果的には身体の歪みも是正します。

整体とは治療の原理原則が違うということにつきます。患者の病態を見る基準、さらに治療の進行を見る基準が違います。カイロプラクティックは神経系のはたらきが回復したかどうかを治療1回1回の基準としています。そのために、神経系の状態を示す“窓”として、各種の反射が正常になったかどうかをチェックしています。

 

アクティベータ・メソッドは独特な検査法に基づく特異的な施術なので、その詳細を述べることはここではできません。
(詳細はアクティベータ・ネットワーク・ジャパンへ)

しかし、治療器具であるアクティベータは非常に速いスピードで神経末端の感覚受容器を刺激するので、神経系を賦活し、神経系のバランスを整えるため、身体の自然治癒力を引き出します。
心身ともにリラックスして健康を取り戻すのです。カイロプラクティックにとって、骨をポキポキ鳴らすことは必要条件ではないのです。

矯正したときに出る関節の音は「矯正音」と言います。これは関節の中に含まれていた窒素ガスが出る音です。

尾篭な話ですが、関節の「おなら」です。

これは施術の基準とはなりません。
専門雑誌に載った研究論文でも、このことが確認されています。
音を出すだけなら自分自身でくびや腰をひねって音を出すことができます。
これは施術効果と関係ありません。
また、整体の施術で一時にどれだけ多くの矯正音を出せるかを競うという信じられないことが行われていますが、こうしたことはカイロプラクティックとは無縁です。

治療の基準となるのはあくまで神経系のはたらきが正常に回復したかどうかなのです。

骨盤や背骨の歪みは結果であって原因ではありません。
原因は神経系のはたらきが不十分でバランスを失っていること
です。
ですから、カイロプラクターは骨格上の歪みがあるときには必ず神経系のはたらきに障害があることを認め、その原因を探るのです。
骨盤の歪みの原因は何か。
背骨の歪みの原因は何か。
原因は手足の末梢神経にあるかもしれないし、体幹の脊髄神経のレベルにあるかもしれません。
はたまた、大脳や小脳などの中枢神経系に障害があるかもしれません。
そのレベルを特定して、神経系に刺激を与え、神経系の働きを賦活させるのです。

従来、「骨がまたずれる」からという説明がされてきました。
さらに聞くと、筋肉が矯正を維持できないためであるという説明が通常なされます。
これはどういうことでしょうか?
筋肉の張りがバランスを取り戻すまで、骨のずれは治らないということを示唆しているのです。
筋肉の張りとは筋肉を支配している神経系の働きのことです。
つまり、神経系のはたらきを正常にするまで、施術が続けられるということを意味しています。
神経系(脳)の間違った記憶を是正して、正しい身体バランスを覚えさせる再トレーニングにどうしてもある期間が必要となるからです。
これがある頻度の治療回数を必要とする理由です。

痛みを伝えるのは、細くて伝道速度の遅い神経線維です。通常、太くて伝導速度の速い神経線維はこの痛みを伝える神経線維のはたらきを抑制しています。ところが、何らかの理由で太い伝導速度の速い神経線維(触覚、深部固有感覚)のはたらきが低下すると、痛みの線維の抑制が低下して、痛みが感じられるようになるのです。したがって、カイロプラクティックの治療は太くて伝導速度の速い神経線維のはたらきを正常に戻して、痛みの線維の抑制を回復させることになります。

もちろん利用できます。というより、この神経系のはたらきを正常に維持させる為のメインテナンス治療こそが、ストレス過剰な現代社会では不可欠だとご理解いただけたらよいと思います。
病気でなければ、検診やドック以外にまず病院には行きません。しかし、健康な人は健康の維持増進のためにカイロプラクティックの治療院を訪れます。なぜでしょうか?カイロプラクティックでは、心身をコントロールする神経系のはたらきが完全に機能しているときを“健康”と考えるのです。その治療は神経系のはたらきを回復させることを目的としています。西洋医学との最大の違いはそこにあるのです。
実は、健康と病気の間には多様な“未病“という広範囲な領域があります。この未病の範疇にはだるいとか、調子が出ないとか、すがすがしさがないとか、身体の機能低下を訴える愁訴(一般に不定愁訴といわれている)が含まれています。この未病の段階では、西洋医学のお医者さんは診断名がつけられないので、“様子を見ましょう”と言います。言い換えるとこれは“病理が進行して診断名がつけられるようになるまで待ちましょう”ということなのです。病気でないということは直ちに健康であるとは限りません。未病を病気にさせない予防医学としてカイロプラクティックが役立つのはそれなりの理由があるのです。

創始者のDDパーマーはこの治療法を発見したときに、患者の一人であり地元の知識人であった教会の牧師さんに何か良い名前がないか尋ねました。牧師はギリシア語で“手を意味するカイロ”と“治療術を意味するプラクティック”を合わせて、“カイロプラクティック”と命名したのです。字義通りには“手技療法“となります。しかし、日本にはその他の手技療法がたくさんありますので、カイロラクティックという全世界で通用していることばを使用しています。

痛みは不快な症状です。当院を訪れる90%ほどの人がこの不快な症状を軽減してほしいと思って門を叩きました。
ですから、この痛みについてよく知ることは非常に大切です。
まず、痛みは身体と別個の実体ではありません。
薬や注射や麻酔で一時的に痛みを軽減させるので、あたかも痛みは身体から別個に取り除くことのできる実体であるかのように思われますが、その効き目が薄れれば、痛みは戻ってきます。
痛みは身体の働きが低下した場合に起こる信号なのです。身体の働きを元の正常な状態に戻していくと、その信号である痛みは自然と消えていくのです。
これが、自然療法のカイロプラクティックの特徴です。
しかし、世の中には、痛みだけを抑制しようという方法もあります。
しかし、これらの方法は身体の他の機能を犠牲にして痛みを軽減する方法です。
たとえば、ペインクリニックで多用されている星状神経節ブロック。
これは痛みを軽減することと引き換えに、心臓の働きを低下させ、頻脈や不整脈を引き起こす可能性が大です。
また、消炎鎮痛剤は自律神経の振り子を絶えず交感神経の亢進に戻して、多様な自律神経失調の症状をもたらします。
ステロイド剤の危険性は言うまでもありません(消炎鎮痛剤とステロイド剤の危険性はトピックス参照)。
手術や薬を使わない自然療法の場合にも、痛みをとることと引き換えに、患者さんの健康を犠牲にする怖れもあります。
自然療法だから安心だ、ということは無前提には言えません。
それは局所的次元に注意を奪われて、脳の機能を低下させる結果、自律神経系の働きを低下させてしまう場合もあるからです。
したがって、身体の神経系の働きを熟知した治療家であるかどうかが非常に大事となります。

現在、医療検査器具の技術革新は日進月歩であり、一般家庭の中にどんどん入り込んでいます。たとえば、血中酸素濃度計測計。今では、大手時計メーカーが健康管理の一環として家庭用にこの測定器具を発売しています。もちろん、異常があればお医者さんに診てもらいなさい、ということでしょうが、カイロプラクティックでもこの測定器具を使って、治療効果を確かめることができます。たとえば患者さんに治療前に血中酸素濃度を測定してもらいます。すると、92%と出ました。かなり低いです。血流障害が疑われます。必要な治療をして神経系に刺激を入れて、治療後再度、患者さんに血中酸素濃度を測ってもらいます。すると、98に上がっています。改善しました。このような例は枚挙に暇がありません。カイロプラクティックが自律神経系に働きかけて血流の改善に寄与していることは明らかです。また、さまざまな神経反射の窓を使って調べることもできます。たとえば、瞳孔反射。検眼鏡の光を当てると、左右の瞳孔の反射にアンバランスがたいていの人に見られます。治療後これが改善しておれば、OKということになります。もし、治療によって痛みが軽減しても、瞳孔の反射に改善が見られないかもしくは悪化している場合、その治療法は他の身体機能を犠牲にして得られたものであることがわかります。これは間違ったやり方です。こうした窓がたくさんあり、治療前後に観察すると治療の経過がよくわかります。また、筋肉の弱かったトーンが正常に戻ることでも神経系の機能回復がわかります。近い将来、PETなどの脳の機能を測定する高次検査法が利用できるなら、必ずや、カイロプラクティックの治療法が脳を中心とした神経系の活性化を促していることが判明するでしょう。そうした研究を待つまでもなく、個々の治療オフィスでも、神経系の機能回復を知る様々な指標を使って、具体的に患者さんに知ってもらうことができるようになっています。

問診表の主訴のところに、「骨盤のずれ」とか「背骨のずれ」とかを記述される方がときどきいます。また、「先生、私の背骨はずれていませんか?」という質問をたくさん受けます。まさにこれは、カイロプラクティックという療法が「骨のずれを矯正する」治療術であるとの認識が国民のあいだに浸透している表れでありましょう。
しかし、これは間違いです。あるいは正しくはありません。ごく一部をとらえて全体であるかのように受け止められているからです。この認識は国民の責任ではありません。間違ったカイロプラクティックについての見方を長いあいだ国民に知らせてきた報いがブーメランのように返ってきているのです。
第1に、骨ははずれることはあります。顎がはずれる。肩がはずれる。股関節がはずれる。まさにこれは脱臼です。英語で言うと、LuxationあるいはDislocationと言います。関節がはずれると、筋肉は支点を失って、関節を動かすことができず、顎や腕や脚はだらんとしてしまいます。これはカイロプラクティックの範疇ではなく、整形外科医の範疇です。では、骨はずれたりするのでしょうか?
結論から言うと、骨がずれることはありません。背骨がずれたら大変です。背骨には脳から連結した脊髄が通っています。もし、背骨がずれたら脊髄を損傷して身体が麻痺してしまいます。レントゲン写真を見ると、脊髄損傷の患者のなかには骨がずれたように写っているものがありますが、これは靭帯が損傷して関節が緩んだためです。半ばはずれた状態です。文字通り、これは亜脱臼。これもカイロプラクティックの範疇ではなく、整形外科の範疇です。外科的手術の対象。
通常、「骨のずれ」と言われるものは、外観上の骨格の歪みを指している場合がほとんどです。くびが右に傾いている。左の肩が下がっている。腰が右に曲がっている。ウエストのラインが傾いている、等々。元々、初期のカイロプラクティックはこうした骨のずれをmisalignment(不整列)、 malposition(位置異常)と呼んでいました。しかし、これはある静的な状態で見る限り、そう見えるだけのことであって、実際には、関節の可動域が制限されて、動きをブロックされている状態のことを指します。後のカイロプラクティックはこれをフィクセイション(関節の可動域の制限)と名づけました。関節に鍵がかけられて動かない状態のようなので、ロックされた状態とも言います。
船の舵でたとえると、右に曲がっている状態で船が右にぐるぐる回転していることを想像してください。これは舵のずれでしょうか?そうではなくて、面舵はとりやすいが取り舵はとりにくい舵の状態になっていると言えます。
人間の背骨で言えば、棘突起という骨の出っ張りが右には回旋しやすいのに左には回旋しにくい状態と同じです。人間を動かない静的状態で後ろから見ると、背骨が右にずれたように見えるのです。こうしたフィクセイションは背骨の動きに関連した多裂筋、回旋筋、横突間筋といった内在筋のアンバランスがあると生じるのです。したがって、骨はずれないが歪みは生じることになります。そしてこれらの歪みをつくる筋肉のアンバランスは、これらに命令を与えている神経系のアンバランスから生じているのです。カイロプラクティックが神経系の機能を回復させる治療術であるというのはこの点に根拠があるのです。
もうひとつ、背骨は健康に大事である、背骨は一家の大黒柱のようなものである、といったイメージが刷り込まれているので、骨のずれは大変だ、という意識につながるのですが、人間の背骨は決して支柱ではありません。よく怪奇映画に人間の骨格が自由に動き回るシーンが出てきますが、実際に骨格だけでは支えるものがないので、クシャンとつぶれてしまいます。骨格を支えているのは筋肉です。筋肉があるため、直立歩行もできるのです。実際には骨格の支柱となっているのは筋肉です。果物をたとえにしましょう。ネーブルや夏みかんを半分に輪切りにすると、実が袋に入っている様子が見えますね。この袋に当たるものが人間では筋肉およびそれを包む筋膜なのです。骨はこの筋肉と筋膜に包まれているのです。そして、この筋肉に命令を与えているのが脳からの神経系の命令なのです。
ですから、姿勢を見て身体に歪みがあると認められるときには、神経系のはたらきに何らかの異常があるとプロである私たちは見るのです。
では、カイロプラクティックの治療は骨をポキポキさせて、ずれを矯正しているのではないか?と当然の疑問を持つ方もおられるでしょう。治療家自身は骨のずれを矯正していると思っているはずですが、実は矯正は神経系末端にある感覚受容器を刺激し、その情報が脳に到達して神経系のアンバランスを是正させるのです。バランスを回復した脳は筋肉にフィードバックされて筋肉のアンバランスをとり、結果的に身体の歪みを矯正します(問題は正しい脳への刺激の入れ方になります)。
したがって、カイロプラクティックは神経系の機能を回復させて、結果的に身体の歪みを是正するのです。
これは些細なことのようですが、決定的な違いです。
よく私のところにくる患者さんで、整体に何年も通い、整体の先生から「あなたの骨の歪み、ずれ、ひねりが大きいからなかなか治らないのだ」と言われた、というような話を聞きますが、おかしいではないですか。
ずれやひねりを治すと標榜しながら、治らない原因をずれやひねりにするのは。
無責任、自己撞着、あるいは自己敗北宣言?
目的と結果をはきちがえると、こういうことも起こります。
カイロプラクティックは神経系のはたらきを正常に戻すことを通じて、身体の歪みも矯正し、健康を回復させるのです。

いません。少なくとも日本では。このことを自覚するとき、歴史上の一人の人物を想い出します。創始者DDパーマーの息子であり、パーマー・スクールの2代目学長であったBJパーマーです。彼は次の言葉を残しています。
One majority. Millions minority. 直訳すると一人の多数派、数百万人の少数派。つまり、たった一人でも正しければ真実は貫かれるし、たとえ数百万人でも間違っていれば真実ではない、ということでしょうか。
私も同じ思いです。真実は曲げようもありません。
松尾芭蕉に不易流行という言葉があります。
これは俳句の精神を述べたもので、不易とは変わらぬ真理、流行とは時代の風俗のことです。
カイロプラクティックにも同じことがあてはまります。
変わらぬ真理とは何か? 
流行とは何か? 
流行とはカイロプラクティックに即して考えれば、時代時代の最先端の医学知識ということになるでしょう。
カイロプラクティックの不易とは神経系のはたらきです。
それがこの100年間の神経学の発展の中でますますその原理原則が豊かに息づいているのを感ずることができます。
変わらぬ真理は石碑に刻まれるような化石的なものとは違います。
現代の最先端の知識の中で貫かれるべきものです。

もちろん、検査をしてどこが悪いのかを正確に判断します。それが「見立て」になります。ろくな検査もしないで治療をするのは治療ではありません。あてずっぽうな治療です。治療と言う名に値しません。
検査は治療室に入ってくるときから始まっています。どんな表情か?瞼の状態はどうか?歩き方はどうか?腕の振りはどうか?姿勢はどうか?握手をしたときの手はすべすべしているかべっとしているか?一連の神経学的検査をします。瞳孔の反射はどうか?三半規管のはたらきはどうか?眼の動きはどうか?等々。また、関節の可動域、必要な整形的検査、筋肉反射検査、下肢長検査、血圧、脈拍などのバイタルサインを調べます。また、心拍間隔変動係数をコンピュータで計測して、自律神経系の働きを見ます。このほか、身体の様子を見る「窓」にはたくさんあるので、その窓に関連した検査を行います。筋肉反射検査や下肢長検査もその大切なひとつです。
こうして、検査により、身体のどの部位に神経的傷害があるのかを特定して、治療することになります。また、この神経的傷害の背後に、アレルギーがあったり、感情的しこりがあったり、栄養障害や毒物の蓄積などがあったりすることがあるので、そうした点も検査することになります。

わたしたちは西洋医学の言うような診断はしません。また能力もありません。というのは、西洋医学の診断は病理の診断であり、わたしたちはそのような訓練を受けておりません。もっと正確に言うと、70時間以上病理学について勉強します。
それは患者の病理が疑われるとき、専門医に紹介するためのものであり、治療するためのものではありません。
実際、坐骨神経痛で来院された患者さんの中に脊髄腫瘍が疑われた患者さんがおられましたので、病院に紹介して手術をしてもらったケースもあります。
わたしたちカイロプラクティックの治療家は病理にいたる前の身体の機能障害を扱います。
一般に身体の生物状態は一方の極である100%機能が発揮されたウエルネスの状態から、他方の極である病理(病気)や遂には死に至る状態までの幅広いスペクトラムから構成されています。
健康か病気かといった二項対立軸ではありません。
西洋医学が扱うのはこのうち、20%くらいのスペクトラムを構成する病理の状態です。
彼らはこの状態を扱う専門医としての訓練を受けています。この領域での検査と治療は得意です。
ところが、それ以前の「灰色ゾーン」である80%のスペクトラムを構成する機能的疾患の状態については不得意です。
はっきり言えば素人です。
何の訓練も受けていないので、この状態を検査、診断する方法論を持っていないのです。
ですから、原因はわからないが「とりあえず」症状を取るための対症療法を行うのです。
診断を放棄するのです。
例の「不定愁訴」というものです。
また、「様子をみましょう」と言って、診断のできる病気になるのを待つのです。
なかには、この80%を占めるスペクトラムの機能的疾患状態の事実を認めない多数の西洋医学の人々がいます。
カイロプラクティックは病理以前の機能的疾患の状態に対する検査と分析、そして施術する方法を持っています。
この範囲は東洋医学の言う「未病」の領域と合致します。
ですから、診断という言葉を広い意味で理解すれば、わたしたちもどこに悪いところがあるかをみますから、診断していることになりますが、西洋医学的な病理的診断はしていないので、「見立て」とか「分析」とか呼んでいるのです。
したがって、病名はつけません。 
医療は多様な治療術から構成されています。
西洋医学だけが医療ではありません。
国民が多様な医療を選択できることが重要となっています。
そこで、最後に一言。
「西洋医学の得意な分野の疾病で非西洋医学のところに行くな。
非西洋医学の得意な分野の疾病で西洋医学のところへ行くな。」

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