沖縄は梅雨入りしましたが、今年は全体的に梅雨入りが遅いようですね。そしてやっと台風も来ました。1号2号と立て続けに発生したようですが、今年こそ豪雨災害に見舞われる地域が防災対策によってなくなることを願います。当院近くには七夕豪雨による浸水被害を教訓に造られた大谷川放水路がありますから、大雨による心配はありませんが、清水巴川流域など過去に浸水したことがある地域の方は、各自ができる対策をとりつつ安全の確保にご留意ください。そして浸水危険地域には自治体による早急な治水対策が取られることを願います。
4~10月は低気圧優位ですが、梅雨・台風時期は低気圧の中の低気圧、ということで年間を通じて最も気圧の低い環境であり、空気中の酸素濃度はかなり下がります。それによって体調を崩される方も多くなりますが、まず脱水・貧血状態でないことが気象病にならないための最低条件です。それはタンパクのみならず、糖・塩、そして鉄・ミネラル・ビタミンB群が十分量確保できていれば最低限の心身機能を維持できる、ということを意味します。
近年は「気象病」という言葉が使われていますが、昔は「天気病み」と言ったりもしていました。低気圧・台風(大型低気圧)のみならず、強風・地震・噴火・大潮・太陽フレア・磁気嵐・地球磁場変動など、太陽・月・地球・惑星に関わる気圧・温度・湿度・重力・地球磁場の変化に対応しきれずに発症する頭痛・めまい・耳鳴り・頭重感・肩こり・吐き気・だるさ・倦怠感など一連の不快症状をまとめて気象病と呼んでいます。
消炎剤のタイレノールや水はけ対策の五苓散が気象病には有効ですが、薬が効くための条件はタンパクの確保が十分であること=脱水でないことです。薬も栄養素も、血液中でタンパクという宅配業者にくっつくことよって全身に運ばれています。よってタンパクが足りていない人はどんな薬も栄養素も必要とする細胞に届けることができないので、せっかく摂っても効果を十分発揮できないまま排泄されてしまいます。もったいない!ですね。
これまで繰り返しお伝えしているように、タンパクを摂っても、塩が足りなければタンパクが使えませんし、また糖の摂取が少なければ塩を摂っても使えません。塩に対するアレルギー除去が済んでいれば余剰分は勝手に排出されますが、塩にアレルギーがある状態、もしくはアレルギーのある塩を使っていれば、体内に余った塩が水分貯留・むくみに繋がりかねません。
日本には「減塩信仰」と言われるくらい減塩が潜在意識・集合無意識に染みついています。ですから当院でも先月から繰り返し伝えていますが、その呪縛から抜け出せずに脱水反応を引きずっている方はまだ3~4割いるなという印象です。医師・看護師・保健師・助産師・管理栄養士などは現在においても当たり前のように減塩指導をしていると思いますが、強アルカリである天然塩を毎日しっかり確保することは、酸性食品(穀物・肉・魚・卵・砂糖)にあふれる現代において弱アルカリ体質を維持するためにも重要なことですから、自分は自分で守ってください。まず塩アレルギーを除去し、自分に合った天然塩(当院のお勧めはピンク岩塩)を食事でしっかり使いましょう。スープに入れたり、米に繰り返しかけたりしながら、自分が美味しいと感じる塩味で食べることですぐに塩カウントは上がってくるでしょう。
5~6月の太陽はすでに夏モードですが、7月以降ほどの暑さでもなく発汗も少ないため本能的に塩を欲していない時期ですので、意識的に積極的に摂取することで、これからの夏バテ・熱中症予防に備えておくのです。そして温度湿度共に上がってきましたから、食品もカビたり、傷みやすくなっています。調理したものは全て冷蔵庫に入れて食中毒予防に努めるとともに、自分の体が傷まないように糖:塩=4:6で濃いめの味付けにして、室温・湿度管理にも留意しましょう。飲みかけのペットボトルは常温で傷みやすくなります。特に麦茶で食中毒を起こしやすいとされますが、重曹クエン酸水でも油断はできませんから、口にするものはできるだけ常温保存はしないよう心がけます。
温度・湿度の上昇は、カビ・ダニシーズンの到来を意味します。カビ・ダニの多い場所は、エアコン・洗濯機・寝具(特に枕)・カーテン・車、そしてペットのいる家はよりカビ・ダニによる空気・環境汚染が強いです。呼吸器疾患のある方は必須ですが、必要に応じて空気清浄機も使っておきましょう。
寝ている間も汗をかきますから、枕は安いものをこまめに交換したほうが安心です。洗濯できるものでも、乾燥に時間がかかってしまえばそこでカビます。低反発系の枕も一度カビたらアウトですから、高いものは要りません。
室内の除湿・空気の循環を維持し、市販のエアコン洗浄剤は意味がないので、エアコンは専門業者に適宜清掃してもらいましょう。カーテンも意外と汚れていますから適宜洗濯し、車のフィルターも交換しておきましょう。
洗濯槽クリーナーも年1~2回は使っておけるといいです。柔軟剤やせっけん系洗濯洗剤、そして衣類についたべっとり系軟膏は洗濯機をカビさせる主犯ですので、基本的にはお勧めしません。どうしても柔軟剤を使いたい場合は無香料を最低量だけ使ってください。また普段からワセリンのようなべっとり系の軟膏を使っている人は、軟膏専用の洗剤で予洗いすることで洗濯機のカビ防止になります。
普段から酸素系漂白剤を使ったり、お湯で洗濯したり、マグネシウム粒+最低限の合成洗剤にするなど、自分のやりやすい方法で無理なく、安全に洗濯して、衣類をカビさせないようにしましょう。部屋も衣類もカビさせるため、部屋干しもは基本的にはお勧めしませんが、梅雨時期どうしてもの場合は、室内干しをしている部屋ごと除湿をかけ、さらに扇風機やサーキュレーターで濡れた衣類に風を当て、空気を十分に対流させてください。衣類のにおいはカビや雑菌ですから、そのにおいは他人を不快にさせるだけでなく、その空気を常に吸っている自分の呼吸器(鼻・のど・気管支・肺)にも悪影響を当然及ぼしていることをお忘れなく。熱めのお湯洗いにするとにおい解消に繋がります。
環境のカビと体のカビ(真菌・酵母)もこの時期の体調不良に関連してきます。環境(外)のカビが増えれば、体(中)のカビも共鳴して増えていきますから、カビの好物である果物・砂糖・アルコール類・発酵食品、そして生ものは体調に応じて摂りすぎないよう気を付けておきましょう。体調の悪いときは、しっかり火の通ったものをいただきます。
見えるカビはもちろんですが、ホコリの中にも目に見えないカビ・ダニはたくさんいます。ほこりを不用意に立てないよう窓を開けずに掃除機をかけ、掃除機が終わったら短時間換気目的で窓を開けてエアコンも使って空気を外に出すよう動かします。拭き掃除も綿ホコリが出ない素材を使います。
アレルギー除去の優先項目に「感染源・カビ」と出てきたら、カビミックス・真菌ミックスの他に、個別の環境カビ(アスペルギルス・アルテルナリア・ぺニシリウム・トリコスポロンなど)や個別の真菌・酵母(カンジダ・マラセチア・皮膚糸状菌・サッカロマイセス・ロドトルラなど)、そして各種カビ毒(アフラトキシン・オクラトキシン・カンジトキシン・グリオトキシンなど)の除去までを済ませておきましょう。自宅の洗濯機ゴミや掃除機ゴミの実物も調べてみてください。
感染源に対するアレルギー除去は、ウィルス・細菌・カビ・寄生虫全てにおいて、「いてもいいけど邪魔しない」を目的としています。日本はカビ天国ですから、環境においても体内においても、カビを撲滅することはできません。しかしアレルギーがなければ、これら感染源も自分の邪魔をしませんから、大きな問題に繋がることもありません。またヨモギ・金時しょうが・にんにくなど自分に合ったハーブ類を使って感染コントロールをしておくことも、重曹・クエン酸を使って体液の弱アルカリコントロールをしておくことも体を傷ませないために、感染源に病気を創らせないために重要です。
塩の確保ができて脱水から抜け出せたら、今度は貧血・骨粗鬆チェックです。骨粗鬆に関わるビタミンD3はありとあらゆる心身の問題に関連している割には、足りていない人が大半です。日頃からインドア派で太陽を浴びない、魚を食べないこともD3不足に関連していますが、必要量を補うにはサプリメントが不可欠です。暑い夏に備えて、塩の次はD3レベルをしっかり上げて準備万端にしておきましょう。